ニューイヤー駅伝/箱根駅伝を見て・・・
2017年01月05日
謹賀新年
お正月3が日の駅伝はご覧になられましたか?
私は、自分自身がキャプテンとして箱根駅伝・ニューイヤー駅伝を戦ったので、今年はその視点で見てみました。
(04年箱根 日本学生選抜6位 、 08年ニューイヤー駅伝 スズキ9位)
駅伝はやはりチームスポーツ、チームの中で成長していくんだって実感しました。
そして、今と昔の違いについても、いろいろと感じさせられましたし、コーチングの在り方についても考えさせられました。
それらを綴ってみます。
もしよろしければ、ご覧ください。
とにかくレベルアップが尋常じゃない!
これらの駅伝に限らず、駅伝中継を見ていて思うのはレース全体のレベルアップです。自分自身、両方の駅伝を経験していますが、箱根はキロ3、ニューイヤー駅伝は突っ込んであと粘る、とある程度流れが出来ている中で、身体を作れば上位で戦えました。
しかし今の駅伝は、違うと感じます。
流れが途切れたら、容赦なく順位が落ちる
当たり前の様ですが、現場の選手や指導者にとってはかなり大変な事です。
対応するには、チーム内競争をさせ、練習の質を上げる必要が出てくる。
そして、選手自身が戦略を考えられ、適応できる選手でないといけない。
大きな駅伝前日って、思っている以上にのんびりと過ごしています。
こうやって気持ちを高め、メンタルも含めた全部のチカラをレースに集中させます。
その中でイメージトレーニングもします。
今の選手たちは、臨機応変にレースをイメージして作っていかなきゃいけないんですよね。
本当に強いと思います。
持ちタイムが拮抗している!
もう1つ、チーム平均の持ちタイムがどんどん上がっています。
箱根駅伝に関していうと、13年前は10000m28分台が20名程度でした。
日本学生選抜も、平均29分半切ったぐらい出場チーム中で持ちタイム3位だったと記憶しています。
しかし今、チーム全員が28分台も珍しくはありません。むしろ、当たり前になってきています。
青山学院大学の田村選手が、3分24秒ラップで”ブレーキ”と報道されました。
が、これは今の選手の持ちタイムが良いため、このペースでブレーキになってしまうのだと思います。
事実、彼とはレベルは違いますが、4区11位だった時、後半のラップは”3分20秒オーバー”かかっていました。
*自分の中で、この4区区間11位が10数年ブレーキだと思っていて、気に入らず人に言わなかった事は抜きにして・・・。
ニューイヤー駅伝の1区も、あれだけの前半のペース上げ下げの中、ほとんどの選手が対応していました。
ペースには余裕があるとは思いますが、レース中の上げ下げ(村山選手)は、後半にジャブの様に効いてきます。
そして後半区間も抜きつ抜かれつの攻防でした。
最後は、力のあるエース級選手である旭化成の市田選手が6区で決めた。
箱根も、エース級選手の下田選手が決めました。
レベルが拮抗している中で、力のある選手が全力で流れを変える走りをする。
一方、ニューイヤー駅伝でも、28分台前半の選手たちが、どんどん抜かれていく。
強豪、各地区予選で健闘したチームも、1人が流れを途切れさせると一気に争いから放出される。
全選手が、ペースを落とせないプレッシャーの中で走っている
レースが洗練されてきている、レベルが上がっていると実感しました。
なぜ世界で戦えないのだろう?
ここまでレベルが上がっていて、レースも洗練されているのに、どうして日本の長距離は世界で戦えないのか?私自身、クロスカントリーの日本代表しか経験しておらず、海外遠征も1回の人間ですので、正直わかりません。しかし自分自身が思うのは、選手のアイデンティティを大切にする事だと思います。4年間、サラリーマンとしてモータースポーツに携わり感じたのは、アスリートの身体=マシンという事です。
身体は作るのではなく、開発する
メンタルは、身体を動かす司令塔(信号)
全てを勝ちに集中される集中力
選手の素材を考えた上で、全体の方向性を作り、その方向性の中で、細かい部分を作り上げていく(開発していく)。
コーチの指示、コーチのメニューなど、コーチからの一方的なティーチングの時代は終わり、選手の持ち味をどう生かし、どうコーディネートしていくか。
選手が安心して120%の力を出せるコーチングが、今、大切なのだと思います。
コーチングについて、考えなおすというか、考えていた事の原点回帰ができた、そんなお正月休みの駅伝観戦になりました。
やはり、競争意識と仲間意識
人間が100%以上を出すには、競争意識と仲間意識だと思います。
そこはすごく重要だし、育成していく為に大切なところだと思います。
浜名湖駅伝では、競争意識と仲間意識を重視したチーム作りを進めています。
競争に関しては、いくら実績があっても生半可な気持ちの選手は使いませんし、浜名湖駅伝で沿道の方々へ「力強いね」と思って貰える走りが出来なければメンバーから外れて貰う、そんな緊張感が、04年の日本学生選抜にも、08年のスズキにもありました。事実、何名かのエース級選手は外れました。
そこの意識を選手にもってもらう、そこの意識を個々の選手の育成に繋げていくのが、僕の役目だと思っています。
浜名湖駅伝 出場選手
お正月3が日の駅伝はご覧になられましたか?
私は、自分自身がキャプテンとして箱根駅伝・ニューイヤー駅伝を戦ったので、今年はその視点で見てみました。
(04年箱根 日本学生選抜6位 、 08年ニューイヤー駅伝 スズキ9位)
駅伝はやはりチームスポーツ、チームの中で成長していくんだって実感しました。
そして、今と昔の違いについても、いろいろと感じさせられましたし、コーチングの在り方についても考えさせられました。
それらを綴ってみます。
もしよろしければ、ご覧ください。
とにかくレベルアップが尋常じゃない!
これらの駅伝に限らず、駅伝中継を見ていて思うのはレース全体のレベルアップです。自分自身、両方の駅伝を経験していますが、箱根はキロ3、ニューイヤー駅伝は突っ込んであと粘る、とある程度流れが出来ている中で、身体を作れば上位で戦えました。
しかし今の駅伝は、違うと感じます。
流れが途切れたら、容赦なく順位が落ちる
当たり前の様ですが、現場の選手や指導者にとってはかなり大変な事です。
対応するには、チーム内競争をさせ、練習の質を上げる必要が出てくる。
そして、選手自身が戦略を考えられ、適応できる選手でないといけない。
大きな駅伝前日って、思っている以上にのんびりと過ごしています。
こうやって気持ちを高め、メンタルも含めた全部のチカラをレースに集中させます。
その中でイメージトレーニングもします。
今の選手たちは、臨機応変にレースをイメージして作っていかなきゃいけないんですよね。
本当に強いと思います。
持ちタイムが拮抗している!
もう1つ、チーム平均の持ちタイムがどんどん上がっています。
箱根駅伝に関していうと、13年前は10000m28分台が20名程度でした。
日本学生選抜も、平均29分半切ったぐらい出場チーム中で持ちタイム3位だったと記憶しています。
しかし今、チーム全員が28分台も珍しくはありません。むしろ、当たり前になってきています。
青山学院大学の田村選手が、3分24秒ラップで”ブレーキ”と報道されました。
が、これは今の選手の持ちタイムが良いため、このペースでブレーキになってしまうのだと思います。
事実、彼とはレベルは違いますが、4区11位だった時、後半のラップは”3分20秒オーバー”かかっていました。
*自分の中で、この4区区間11位が10数年ブレーキだと思っていて、気に入らず人に言わなかった事は抜きにして・・・。
ニューイヤー駅伝の1区も、あれだけの前半のペース上げ下げの中、ほとんどの選手が対応していました。
ペースには余裕があるとは思いますが、レース中の上げ下げ(村山選手)は、後半にジャブの様に効いてきます。
そして後半区間も抜きつ抜かれつの攻防でした。
最後は、力のあるエース級選手である旭化成の市田選手が6区で決めた。
箱根も、エース級選手の下田選手が決めました。
レベルが拮抗している中で、力のある選手が全力で流れを変える走りをする。
一方、ニューイヤー駅伝でも、28分台前半の選手たちが、どんどん抜かれていく。
強豪、各地区予選で健闘したチームも、1人が流れを途切れさせると一気に争いから放出される。
全選手が、ペースを落とせないプレッシャーの中で走っている
レースが洗練されてきている、レベルが上がっていると実感しました。
なぜ世界で戦えないのだろう?
ここまでレベルが上がっていて、レースも洗練されているのに、どうして日本の長距離は世界で戦えないのか?私自身、クロスカントリーの日本代表しか経験しておらず、海外遠征も1回の人間ですので、正直わかりません。しかし自分自身が思うのは、選手のアイデンティティを大切にする事だと思います。4年間、サラリーマンとしてモータースポーツに携わり感じたのは、アスリートの身体=マシンという事です。
身体は作るのではなく、開発する
メンタルは、身体を動かす司令塔(信号)
全てを勝ちに集中される集中力
選手の素材を考えた上で、全体の方向性を作り、その方向性の中で、細かい部分を作り上げていく(開発していく)。
コーチの指示、コーチのメニューなど、コーチからの一方的なティーチングの時代は終わり、選手の持ち味をどう生かし、どうコーディネートしていくか。
選手が安心して120%の力を出せるコーチングが、今、大切なのだと思います。
コーチングについて、考えなおすというか、考えていた事の原点回帰ができた、そんなお正月休みの駅伝観戦になりました。
やはり、競争意識と仲間意識
人間が100%以上を出すには、競争意識と仲間意識だと思います。
そこはすごく重要だし、育成していく為に大切なところだと思います。
浜名湖駅伝では、競争意識と仲間意識を重視したチーム作りを進めています。
競争に関しては、いくら実績があっても生半可な気持ちの選手は使いませんし、浜名湖駅伝で沿道の方々へ「力強いね」と思って貰える走りが出来なければメンバーから外れて貰う、そんな緊張感が、04年の日本学生選抜にも、08年のスズキにもありました。事実、何名かのエース級選手は外れました。
そこの意識を選手にもってもらう、そこの意識を個々の選手の育成に繋げていくのが、僕の役目だと思っています。
浜名湖駅伝 出場選手