【寄稿】ニューイヤー駅伝/箱根駅伝でキャプテンを務めた男が見た、今年の駅伝

2018年01月03日

お正月の風物詩といえば、ニューイヤー駅伝&箱根駅伝…
その2つの駅伝でチームキャプテンを務めた男こそ、トモラン代表の中川智博ちょき代表が、今年のニューイヤー駅伝&箱根駅伝を見ての感想を寄稿上昇熱いキャプテンだった中川智博が見た、今年のお正月駅伝はいかにはてな

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「駅伝が人を育てる」 2018年1月3日

お正月3が日、テレビで駅伝を見ていた。私は、スズキ時代にニューイヤー駅伝を、全日本大学選抜時代に箱根駅伝を、それぞれキャプテンとして経験させて貰っている。ゆえに、様々な事を想いながら見ていた。

今年のニューイヤー駅伝は、前評判通りの旭化成が危なげなく優勝した。優勝筆頭の力を持ち、ケニア人も新加入した余裕があるにも関わらず、5区村山選手が最初から思いっきり突っ込み後ろを離そうとした姿を見て、旭化成の貪欲さ、勝利への執念を感じた。TOMORUN強化プロジェクトのOBで愛三工業所属の中西選手も、5区を走り5位でもらった襷を8位で繋いでいた。アンカーの6位争いのし烈さは、10年経っても、20年経っても変わらない風景だと感じた。スズキが6位入賞した時も、し烈なラストスパート合戦だった。
今年の箱根駅伝は、青山学院・東海・神奈川の3強と言われていたが、東洋大学が前半をリードして往路優勝、復路で青山学院大学が逆転するも、2強の戦いとなった。前半区間は風の影響からか、スピードスターたちが精彩を欠いた。そんな中、東洋大学のフレッシュな1-2年生が素晴らしい走りを見せ、一時は独走の様相を呈していた。実は12月に入り、私はイベントなどで「箱根の優勝は東洋大学」と宣言していた。あらゆる情報、タイムや全日本のレース展開などからの判断だった。結果的には予想は外れて青山学院大学が優勝したが、2校ともお正月を沸かせる走りを魅せてくれたのではないだろうか?

3が日の駅伝を見ていて真っ先に思ったのは、選手、戦略ともに各チーム洗練されてきているという事。選手だと、駅伝の指標の1つである10000mの平均タイムは、上位のレベルが上がってきて、更に拮抗している。つまり誰を出してもそん色ない層という事である。戦略は、10年以上前に主流だった「キロ3分で行きラスト上げる」から、状況・相手を見据えてペースを変化させたり、30秒の差を巧みに操って走るなど、洗練されてきていると感じた。それを可能にしているのが、クロスカントリーやファルトレクなどのベーストレーニング、またコアトレーニングや多様なフィジカルトレーニングなどを取り入れているからだろう。そう、今の実業団駅伝も学生駅伝も、選手の能力が高い!というのが正直な感想だ。能力の高い選手が拮抗しているがゆえ、勝ちたい気持ちが一番強いチームが勝つ、という時代になってきていると思う。このフレーズを聞くと、根性論とか精神論を思い浮かべてしまうが、私は新・精神論時代と呼びたいと思う。(根性や精神だけ…ではなく、様々な要素があった上での根性・精神という要素)

箱根駅伝を見ていて思ったのは、普通就職をする選手も多いという事。青山学院大学の原監督が、NHK番組プロフェッショナルでおっしゃっていた一言「いずれみんながサラリーマンになった時、武器を持たせてやりたい」、これは駅伝を通じて、社会に出る訓練をしているという意味でもあり、弊社の理念「スポーツが健全な心身を育む」にも通じる。私もいま、TOMORUN強化育成プロジェクトとして静岡大学や常葉大学の学生長距離ランナーを指導しているが、今の子はマジメである。そして現実的で、情報処理能力も高い。駅伝を駅伝で終わらせないという事は、私は良い傾向だと思う。TSBドラマ・陸王が話題となった。私も涙を流しながらテレビを見ていたが、陸王やニューイヤー駅伝、箱根駅伝を見て思い出すのは、結果や実績よりも、仲間との想い出や試合までの道のりや当日の出来事である。スポーツは素晴らしいが、速い事だけが全てではない。良いチームは、良い人を育て、良い人が集い、更に良くなっていく。競技力に加え、人間性を高めていく事こそがチーム作りだと感じた。

近年、駅伝が単なる駅伝でなくなってきていると感じる。レースに求められる能力やスキルも上がっているし、強い精神も必要になってくる。小さな企業を経営する者として、駅伝監督には駅伝の技術だけでなく、経営的な要素(理念、マネジメントなど)も必要な時代になっているのではないだろうか?(私が関わっている しずおか市町対抗駅伝でも、今までに述べた事は現場で肌で実感している) 監督が数字の計算だけしていればいい時代は終わり。どこにプラスアルファを生み出すか?人材を引き出すか?プロデューサー的な視点を併せ持たねばならない。

これからの時代のスポーツは、老若男女問わず、スポーツを通じて人を生き生きと育んでいくコミュニティ作りが求められているのだと感じた。速いだけ、強いだけで魅力を感じてくれる時代は終わった。弊社は理念に沿ってランニング指導にまい進したいし、強化プロジェクトの大学生達を育てて、大舞台へ導いていきたいと思う。そんな事を感じさせてくれた、正月三が日だった。

陸王で好きなフレーズがある。
「あいつらは損得勘定抜きに、命削って走ってるんだ。その邪魔をするな!」
こんなフレーズが駅伝の現場で聞かれる時代になったのだろう。
そして、その駅伝が単なるスポーツだけで終わらない時代になった。
「駅伝が人を育てる」
そんな事を教えてくれた若者たちへ敬意を表し、労を労いたい。
ありがとう。ごくろうさま。

(トモラン代表)

【寄稿】ニューイヤー駅伝/箱根駅伝でキャプテンを務めた男が見た、今年の駅伝
※選手を育成している中川智博。走るレベルに問わず、老若男女みんなに真剣なコーチングをしている。

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